翠帳紅閨(すいちょう こうけい)
『緑の幄をたらし 赤い色で飾った寝室のこと。
高貴な女性の寝室を意味する。』
「 今夜はこのまま 朝まで一緒にいてもいいですか?
の気持ちの準備が出来ていないのなら 僕は待ちます。」
「八戒さん もう充分待っていただきましたから、大丈夫です。
私も今夜は 八戒さんと離れたくありません。」
八戒が切望していた言葉だった。
を 抱き上げると そのままベッドルームに運び 上掛けをはがしてあるベッドの上に
そっと横たえてやる。淡い光に照らされて お互いを見詰め合う。
「 もう逃がして上げられませんよ。嫌がっても 僕は最後までいくつもりです。」
「はい、でも 少し怖いです。」
「大丈夫ですよ、僕が一緒です。
誰よりも 貴女を 愛しています。」
八戒は を怖がらせないように 優しいキスを 唇に落とした。
そっと触れると 震えているのが解る。
何度も何度も 優しく繰り返してやる。
「大丈夫ですよ 心配しないで下さい。
が嫌な事はしませんからね。少しづつ ゆっくりと進めていきます。
身体の力を抜いて 感じるままに受け止めてください。」
八戒の言葉に 頷くと はわずかに微笑んで 両手を八戒の頬に伸ばした。
八戒はその手首を掴んで 視線は合わせたまま 手の平にキスを贈る。
そのまま 腕を首に回させて また にキスを落とす。
今度は キスを徐々に深いものへと変えていく。
今までにも 深いキスは何度もあったが 想いを伝えるためにされたことで、
八戒は それが その後に続く行為への前提にならない様に 気をつけていた。
だが 今夜のキスは あくまでもをリラックスさせるために 行っている。
夜毎繰り返して来た 恋人の時間の続きなんだと 思い出させるために
いつもと同じやり方で 愛を伝えていた。
八戒はキスの合間に の名を何度も呼ぶ。
その度に はうれしそうに 八戒を見て微笑んでいる。
そうして の身体と心から 緊張が見られなくなった頃 八戒は ようやく
深いキスの途中に のパジャマに手を掛けた。
ボタンを外すと 唇からキスを離して 首筋へと移動する。
今まで見たことがなかった 鎖骨から下の下着姿 その肌の白さと淡いバラの香りに
鎖骨の辺りを少し吸い上げると 紅い花弁が現れる。
バラの香りに相応しい痕が残った。
ブラのフロントホックを 外しても そのままの形で果実のように 存在する胸。
首に回っていた腕が外され それを隠す。
「恥ずかしいですか? でも 隠さないで下さい。
さあ 腕を僕の身体に戻して 僕のために用意されたものを 与えてくれませんか?」
笑顔で言う八戒に はゆっくりと 隠していた腕を外す。
その一部始終を 見られていることで 頬が熱くなった。
腕が自分の肩のあたりに戻ると 八戒は の胸に愛撫を施し始める。
両手で 双丘を優しく揉み 片方の頂を 口に含んでみた。
蕾に舌をはわせ 転がしてやる。
「あっ・・・・・・んんっ・・・・・」
「 いい声ですよ。もっと聞かせてくださいね。」
から見ると 八戒は 普段と同じような態度で 事を進めて行く。
本当は 八戒にもそんな余裕は無いのだが それを見せれば を怯えさせる事になるだろうと、
必死で 平静を装っているのだった。
胸を充分に堪能した八戒は の身体の探求に旅立つ。
両手は 脇をなぞり 背中に回すと 背骨や肩甲骨を 確かめるように這い回る。
そうしながら 上半身に纏っていた衣類を から 外していく。
唇は 鳩尾から腹部 臍へと移り キスの雨を降らせていた。
背中に回っていた手が パジャマのズボンの後ろから中に差し入れられ 臀部の双球を撫でる。
撫でる動きに 腰骨に引っ掛かっていたズボンとパンティが 徐々に下がってしまう。
は 下がらないようにしたいのだが、八戒の身体で邪魔されて それが出来ない。
「 もっと 僕を感じてください。大丈夫 何も怖い事はないんです。
こうして を触っているのは 僕なんですよ。
心配しなくても は綺麗ですよ、今夜は 特に・・・・・」
「八戒・・・さん・・・・んっ・・・・あっ・・・」
八戒は 後ろ側から手を入れて の華にそっと触った。
「あぁ 感じてくれているんですね。もう 濡れていますね ここ。」
そう言って 指を割れ目に滑り込ませてみる。
それに連れて下がったズボンとパンティを もう片方の手で 下げて一気に足から引き抜いた。
が生まれたままの姿になると、八戒は 膝を付いて起き を見ながら
自分も下着一枚になった。
膝を付いた時に 片方を何気なく の脚の間に付いておいた八戒は、
そのまま に身体の上に 重なっていった。
ふと目の端に止まった 枕許のバスタオルを の下に惹いてやる。
キスの間に 目で探せば ライト横のティシュの箱の下に挟むように 避妊具が用意されている。
もその気だったんですね、初めてだというのに 用意が良すぎますよ。
一番のプレゼントは でしたか・・・八戒は思わず苦笑した。
じゃ 遠慮なくご馳走になりましょうか。
胸を愛撫していた手を 下に移動させ 再び茂みの中へと入れてゆく。
思わず脚を閉じようとしただったが、八戒の脚が片方挟まれていて それは叶わない。
「 濡れただけでは 僕が入ったときに痛いんですよ。
怖いかもしれませんが 慣らせて蕩けさせないとダメなんです。
出来るだけ 痛くない様に感じてくれるようにしたいんです。僕に身体を預けてくださいね。」
八戒の言葉に は 頷いた。
「はいい子ですね。正直言うと この日をどんなに待ったか知れません。
貴女が僕の腕の中で 僕の指で この美しい身体を開いてくれるのを 夢にまで見ました。
僕の印を付けて 愛を刻み込み 僕自身をに埋め込むのを・・・・・・、
だから もっと 感じてください。」
そう言いながら 八戒の指は の花芯をさぐり やわやわと愛撫を与える。
に愛撫を与えながら 八戒は自分の体を の足の間に入れ、
徐々に脚を開かせていく。
花芯に当てていた指を 花の窪みに一本挿入した。
「あぁっ・・・・はっか・・い・・・・さん・・・・・いっ・・・やっ・・・」の口から 艶めいた声が漏れる。
片方の手を胸に置いたままで 八戒はの花芯に 顔を近づけて、
舌でそっと舐め上げてやる。
「ダメッ・・そんな・・・ところ・・・」
「ダメじゃないでしょう、僕に任せて 感じているだけでいいんですよ。
指が入っているのを感じますか? もう少ししたら ここに僕が入ります。
とひとつになるんですよ。
その前に もっと 蕩けさせておかないと いけませんね。」
八戒は 一度指を抜くと 2本にして差し入れた。
「あっ、・・・んんっ・・・・」
わずかに抵抗があったものの 一度入れてしまえば 窪みの中は八戒の指を受け入れ
絡み付いて 刺激してくる。
自身を入れたときに受けるだろう その愛撫を想像して、八戒は煽られる思いがした。
「の中 吸い付いて来て絡んで すごいですよ。」
言葉の合間には 花芯への愛撫が続けられており、の窪みは 波が押し寄せるように
収縮しだして 八戒の指を締め付ける。
「ああっ・・・・いやっ・・・・やめてっ・・・・」
「 いきそうなら 我慢しないで 開放してやりなさい。
何度でも いいんですよ。僕に見せてください。」
八戒の言葉に煽られて は八戒の指を これでもかというほど 締め上げた挙句
窪みの中を痙攣させて 意識を飛ばした。
「困りましたね、このまま との情交に慣れたら、他の人には反応しなくなりそうです。
いや 僕自身に限って言えば それもOKなんですが・・・・、
経験が多いとは言えませんが こんな女壷を持った女性は初めてです。
知性と教養、美しい顔と身体、おまけにベッドの中でも男を惑わせる名器の持ち主ですか・・・
僕もすごい女性を捕まえたものです。
さあ 続きのために 眠り姫を起こしましょうか。」と つぶやくと、
八戒は の唇や頬にキスをして 意識を呼び戻した。
「 大丈夫でしたか?
今度は 僕も一緒にいきますからね。
最初は 少し痛いかもしれませんが、段々と慣れて来る筈です。
痛みのために 次は今ほど気持ち良くないかもしれませんが、僕のために我慢してくれませんか。」
「はい それでも 八戒さんとひとつになりたいです。来てください。」
は 両腕を差し出して 八戒の身体を抱きしめた。
八戒はあらためて とキスを交わす。
お互いを見詰め合ったままで 交わすキスは 甘い幸せな味がした。
「 愛していますよ。」
ひと言そう言って 八戒のキスは深いものへと変わった。
キスに意識を集中させておいて 自身をの花の窪みにあてがう。
ゆっくりとだが 確実に 彼女の中に入ってゆき 八戒の全てを埋没させた。
ひとつになっているという実感が 八戒を包み込んでいた。
意外と身体の力が抜けているのか から苦痛の声は上がらなかった。
しかし 自分の顔や唇が 冷たく濡れるのを感じて瞼を上げれば、の涙だった。
の閉じられた瞳から 絶えることなく流れ落ちている。
「 痛いんですか?
少し痛みが引くまで このまま動きませんから。
でも その痛みは僕のものでもあるんですよ、
の初めての痛みを僕が与えたなんて 幸せすぎます。」
は濡れた瞼を開いて わずかに微笑んだ。
「八戒さん 私も幸せです。
痛かったですが 治まってきましたし、なによりも 八戒さんとひとつになれました。」
「では もう動いてもいいですか?
初めはまた 痛みが来るでしょうが、僕がそれを 忘れさせてあげますからね。」
にキスを1つ落とすと、八戒はゆっくりと動き出した。
「あっ・・・」
「もっと声を聞かせて下さい、我慢しないで 流れに任せていいんですよ。」
八戒は 耳元に囁きながら 腰も動かしていた。
深く浅く 出入りするたびに 変化をつけて 感じる所を探るように 痛みを逃すように
をなだめるように続けられる。
「んっ・・・あぁっ・・・はっ・・・かい・・・さん・・・」
「の中 凄く熱くて 蕩けていて・・・・・うっ・・・・そんなに締め付けないで下さい。
これじゃ 持ちませんよ・・・・うわっ・・・・・だからって 絡ませないで・・・・・」
「そ・・・んな・・・・ことっ・・・・・」
「無自覚ですか?
・・・・・んっ・・・・もう こっちが限界ですね。想像以上に すごくいいです。
僕に掴まってください。」
の腕が絡んできたのを 確認すると、八戒は 激しく動き出す。
2人の荒い息と つながった所の水音だけが 部屋に響く。
の窪みが 先ほど八戒の指に与えた収縮を 八戒自身にも与え始めた。
その刺激に八戒も煽られ 昇らされる。
もうこれ以上 ダメだと限界に達しようとした刹那 痛いくらいの締め付けが八戒を襲った。
加えて与えられる 痙攣による振動と動きに 八戒もたまらず己を放った。
しびれる様な快感が過ぎて を見れば すでに意識を飛ばしていた。
「初めてで 何も出来なくて これって事は、慣れて 大胆になって 技を覚えたら
たぶん落とせない男はいないでしょうね。
自身には 教えられませんが・・・・。
あぁ を 朝まで抱きしめて眠れる夜が 来るなんて、本当に夢のようです。
おやすみ・・・・僕のお姫様。」
の頬に キスを落とすと その身体を抱きしめて 八戒も眠りに就いた。
レースのカーテン越しに 中秋の名月の光が 部屋に差し込んでいた。
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